糖尿病治療の目標
糖尿病治療の目標
糖尿病治療の最終目標は、合併症を防ぎ、健康な人と変わらない生活を送ることです。そのために、血糖・血圧・脂質・体重を適切に管理する必要があります。
1. 血糖コントロール(HbA1c)
HbA1cは過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映する指標で、目標値は個々の状態に応じて調整されます。
基本目標
7%未満 | (細小血管症の予防に有効) |
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6%未満 | 食事・運動療法で達成可能な場合 |
8%未満 | 低血糖リスクが高い場合 |
治療方針は年齢・病歴・合併症の有無・認知機能などを考慮して決定します。
2. 血圧管理
糖尿病患者は高血圧を合併しやすく、動脈硬化が進行すると脳卒中・心筋梗塞・腎症などのリスクが増加します。
目標値
130/80mmHg未満
治療法
減塩・運動・減量+必要に応じて降圧薬
3. 脂質管理(コレステロール)
動脈硬化の予防には、LDL(悪玉)コレステロールを低く保つことが重要です。
目標値
LDL-C(悪玉) | HDL-C(善玉) | 中性脂肪 | non-HDL-C | |
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心血管疾患なし | 120未満 | 40以上 | 150未満 | 150未満 |
心血管疾患あり | 100未満 | 40以上 | 150未満 | 130未満 |
治療法
食事・運動療法+必要に応じて薬物療法
4. 体重管理(BMI)
適正体重を維持することで、インスリン抵抗性を改善し、糖尿病の進行を防ぎます。
目標BMI
22~25 kg/m²
※年齢や合併症により調整
(例:身長160cm → 体重56~64kg)
治療法
食事・運動療法+体重管理に適した薬の選択
5. 禁煙の重要性
喫煙は糖尿病・心血管疾患・がんのリスクを高めるため、禁煙が推奨されます。
受動喫煙にも注意し、家族や職場環境の改善を図ることも重要です。
糖尿病治療では、血糖だけでなく血圧・脂質・体重・喫煙の管理も重要です。 一人ひとりの状態に合わせた治療目標を設定し、無理なく継続できる方法を選びましょう。