膠原病内科
関節リウマチを中心に、早期診断と安定したコントロールを目指します。
最新のEULARガイドラインに基づき、疾患活動性を評価し、メトトレキサートを中心とした治療に加え、生物学的製剤やJAK阻害薬の適切な導入を検討します。機能障害を残さないために、症状が軽度の段階から積極的に治療に介入します。
膠原病内科とは
膠原病内科では、自己免疫の異常により全身の臓器や関節、皮膚、血管などに慢性的な炎症を起こす病気(膠原病・自己免疫疾患)を診療します。代表的な疾患には関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性強皮症などがあり、症状は関節痛・発熱・皮疹・息切れ・むくみなど多岐にわたります。
これらの疾患は進行すると腎臓、肺、心臓など重要な臓器に障害を及ぼし、特に腎不全や透析に至るケースもあります。当院では、全身の状態を総合的に診る膠原病内科の専門的診療に加え、腎臓病・透析医療との連携により、質の高い医療を提供しています。
膠原病 代表的な疾患と腎不全との関係
関節リウマチ(RA)
自己免疫によって関節が破壊される病気で、近年は肺や腎臓などの臓器障害を伴う「全身性疾患」として認識されています。治療には、免疫抑制薬を用い、疾患活動性と副作用の両面を管理します。特に腎機能低下時には薬剤選択に注意が必要であり、腎臓専門医との連携のもと治療方針を決定します。
全身性エリテマトーデス(SLE)
若年女性に多く、発熱・関節炎・皮膚発疹などに加え、腎炎(ループス腎炎)を高頻度に合併します。SLEに伴う腎障害は、放置すれば慢性腎不全や透析に進行する恐れがあります。当院では、定期的な尿検査や血清補体、抗DNA抗体などのモニタリングを行い、必要に応じて腎生検が可能な医療機関と連携し、腎障害の早期対応を行います。
全身性強皮症(SSc)
皮膚が硬くなる病気ですが、肺線維症や食道運動障害、腎不全を含む内臓病変を伴う全身性疾患です。特に強皮症腎クリーゼは、急激な血圧上昇と腎機能低下を引き起こす重篤な合併症であり、早期発見と降圧治療が生命予後を左右します。当院では血圧・腎機能・尿所見を細かく管理し、透析や入院が必要な場合は速やかに高度医療機関と連携します。
当院の連携体制について
当院では、膠原病疾患に伴う腎障害に対して、高次医療機関との密接な連携体制を構築しています。
- 腎機能の精密評価(血液検査・尿検査・eGFR)
- 必要に応じて腎生検が可能な病院(大学病院等)との紹介連携
- 慢性腎不全・透析患者の膠原病管理(透析中の免疫抑制療法管理)
- 皮膚科・呼吸器内科・眼科などの専門科との院内外連携
疾患の特性上、長期にわたる継続的な治療と多職種の連携が不可欠です。当院では、かかりつけ医としての役割を担いながら、必要に応じて迅速に専門医療機関へ紹介し、患者さまが安心して治療に臨めるようサポートいたします。