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7. ホルモンの異常について

[2026.05.04]

腎臓は尿を作るだけでなく、体全体のバランスを整える様々なホルモンを分泌したり、活性化させたりする「内分泌臓器」としての一面も持っています。

腎機能が失われると、これらのホルモン系統にも異常が生じます。

1.副甲状腺ホルモン(PTH)の再確認

骨とミネラルのバランスに関わる非常に重要なホルモンです。腎機能低下に伴い、リンの上昇やビタミンDの不足が引き金となって、PTHが過剰に分泌される状態(二次性副甲状腺機能亢進症)になります。 これが続くと、骨がもろくなるだけでなく、血管の石灰化を促進し、生命予後にも影響します。ビタミンD製剤やカルシウム受容体作動薬を使って、このPTHの暴走をコントロールすることが、透析治療の大きな柱の一つです。

 

2.甲状腺ホルモン

甲状腺は、喉仏の下あたりにある蝶のような形をした臓器で、体の新陳代謝を活発にする「甲状腺ホルモン」を分泌しています。
透析患者さんでは、この甲状腺の機能に異常が見られることが少なくありません。

甲状腺機能低下症

ホルモンの分泌が不足する状態で、「体がだるい」「無気力」「むくみ」「寒がり」といった症状が現れます。透析患者さんの倦怠感の原因の一つとして、この機能低下症が隠れていることがあります。

甲状腺機能亢進症

ホルモンが過剰に分泌される状態で、「動悸」「汗をかきやすい」「体重減少」「手の震え」などが起こります。
これらの症状は、透析に伴う一般的な症状と区別がつきにくいこともあります。そのため、定期的に血液検査で甲状腺ホルモンをチェックし、異常があればホルモンを補充する薬(低下症の場合)や、ホルモンの産生を抑える薬(亢進症の場合)による治療が行われます。

 

3. L-カルニチンの不足と補充

L-カルニチンは、アミノ酸の一種で、私たちの体の細胞の中にある「ミトコンドリア」というエネルギー工場に、燃料である脂肪酸を運び込む「運搬役」として、非常に重要な働きをしています。健康な状態では、食事から摂取するほか、肝臓や腎臓でも合成されます。

透析患者さんでは、腎臓での合成低下や食事制限による摂取量減少、さらに透析によって体外へ失われることなどから、L-カルニチンが不足しやすいことが知られています。

L-カルニチンが不足すると、エネルギー工場がガス欠状態になり、筋肉や心臓に症状が出たり、貧血などの症状を引き起こすことがあります。

具体的には、

  • 筋肉痛、筋力低下、足がつる(こむら返り)
  • 心臓の症状:心臓の筋肉の働きが弱まる(心機能低下)
  • 貧血の改善不良:ESA製剤を使っても、貧血がなかなか良くならない
  • 透析中の血圧低下
  • 慢性的で原因不明の倦怠感

これらの症状があり、検査でカルニチン欠乏が診断された場合には、L-カルニチンを補充するお薬が使われます。

これにより、生活の質が大きく改善する可能性があります。

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