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2. 骨とミネラルのバランスを守るお薬

[2026.05.09]

骨とミネラルのバランス異常について

腎臓の働きが低下することで、リン、カルシウム、副甲状腺ホルモン(PTH)のバランスが崩れやすくなります。
リンは、肉や魚、乳製品、加工食品など多くの食品に含まれるミネラルです。本来は腎臓から尿として捨てられますが、腎機能が低下すると体の中にどんどん溜まっていきます。
リンが体にたまると、下記のような悪循環が発生します。

  1. 腎機能低下→ 尿からリンを捨てられなくなり、血液中のリンが上昇
  2. リンが上昇→血液中のカルシウムとくっつき、血液中のカルシウムが低下
  3. ビタミンDが不足→ 副甲状腺が「カルシウムが足りない!」と勘違いし、副甲状腺ホルモンを過剰(PTH)に分泌
  4. 過剰なPTH→骨を溶かして、無理やり血液中にカルシウムを補給しようとします。これにより、骨がスカスカで脆くなってしまいます

この悪循環が、骨とミネラルのバランス異常の正体です。

 

血管の再石灰化について

血液中のリンとカルシウムのバランスが崩れると、余分な成分が血管や関節に沈着する「異所性石灰化」が起こることがあります。特に血管に沈着すると、血管が硬くなる「動脈硬化」を進め、動脈硬化が心臓の血管で起これば心筋梗塞、脳の血管で起これば脳梗塞という、命に関わる病気につながる可能性があります。また、関節に沈着すれば激しい痛みを引き起こします。

 

活躍するお薬

リン吸着薬:「リン捕獲のプロフェッショナル」

体内に溜まったリンは、残念ながら透析だけでは十分に取り除くことができません。
このお薬は、食事と一緒に摂ることで、食べ物に含まれるリンが腸から吸収される前に、お腹の中でがっちりと捕まえて、便と一緒に体の外に排出してくれます。
大切なのは、必ず食事の直前や直後に飲むことです。食後時間が経ってしまうと、すでにリンが吸収されてしまい、お薬の効果がなくなってしまいます。
便秘になりやすい、お腹が張りやすいなどの副作用が出ることもあるため、自分に合ったお薬を医師と相談しながら見つけていくことが大切です。

 


ビタミンD製剤:「副甲状腺ホルモン(PTH)の暴走を止める調整役」

腎臓はビタミンDを活性化させる役割があります。この働きを補うのが「活性型ビタミンD製剤」です。
このお薬には、大きく2つの働きがあります。

1. 腸からのカルシウム吸収を助け、血液中のカルシウム濃度を適切に保ちます。

2. 副甲状腺ホルモン(PTH)の過剰な分泌を抑えます。
注射薬と飲み薬があり、患者さんに合わせて、最適な種類と量が選択されます。

効きすぎると血液中のカルシウムが高くなりすぎてしまうため、定期的な検査が欠かせません。

 


カルシウム受容体作動薬:「副甲状腺をだます名優」

このお薬は、副甲状腺にある「カルシウムを感じるセンサー」に働きかけ、「血液中にはカルシウムが十分にありますよ」と、だますことで、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を強力に抑えます。
ビタミンD製剤を使っても副甲状腺ホルモン(PTH)がなかなか下がらない場合に用いられます。カルシウムやリンを上げることなく副甲状腺ホルモン(PTH)を下げられるのが特徴ですが、副作用としてカルシウムが下がりすぎたり、吐き気が出たりすることがあります。

 


 

これらの薬をうまく組み合わせることで、リン、カルシウム、PTHのバランスを整え、丈夫な骨を保ち、危険な動脈硬化の進行を防ぐことを目指します。

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