腎臓の検査
腎臓の検査について
腎臓の病気は自覚症状が出にくいため、検査による早期発見が重要です。特に慢性腎臓病(CKD)は進行しても気づかれにくく、腎不全(腎機能が30%以下の状態)になってから診断されることもあります。進行すると透析や腎移植が必要になることがあるため、定期的な腎機能チェックが健康維持の鍵となります。
また、腎臓の検査は泌尿器系疾患(腎臓・尿管・膀胱・前立腺の癌など)の発見にも役立ちます。さらに、糖尿病や高血圧に伴う腎障害の評価にも有効です。
腎臓の主な検査方法
1. 尿検査(検尿)
尿中の異常を調べ、腎臓の状態を評価します。
- スポット尿検査(随時尿):タンパク尿・尿糖・潜血・pH・白血球・細菌の有無などをチェック
- 蓄尿検査(24時間尿):タンパク尿の定量測定(より正確な評価が可能)/糖尿病患者ではインスリン分泌能や尿糖排泄量の評価にも利用
2. 血液検査(腎機能評価)
血液中の腎臓関連指標を測定し、腎機能の低下を診断します。
- 尿素窒素(BUN):腎機能低下で上昇
- クレアチニン(Cr):腎機能を示す指標(筋肉量の影響を受ける)
- シスタチンC(CysC):より精度の高い腎機能マーカー
- 推算糸球体濾過量(eGFR):年齢・性別・クレアチニン値から計算し、腎機能の目安を示す
3. 画像検査(腎臓の形態評価)
腎臓の構造や異常を調べます。
- 超音波検査(エコー):腎臓のサイズや形、腎結石・尿路結石・腫瘍の有無を確認
- CT検査:腎腫瘍・血管異常・尿管の状態を詳細に評価
4. 腎生検(精密検査)
細い針を使って腎臓の組織を採取し、顕微鏡で病理診断を行います。
適応対象
- 原因不明のタンパク尿や血尿
- 腎機能低下の原因精査
- 糸球体腎炎・膠原病などの診断
検査方法
- 入院が必要
- 超音波ガイド下で針を刺して腎組織を採取
- 出血などのリスクがあるため慎重に実施
腎生検が必要と判断される場合は、専門医療機関へご紹介いたします。
最後に
腎臓の異常は自覚症状が乏しいため、尿検査や血液検査を定期的に受けることが大切です。
早期発見・早期治療により、腎機能の低下を抑え、透析や腎移植を防ぐことができます。
気になる症状がある方や、健康診断で異常を指摘された方は、ぜひご相談ください。